今日は「このESは通るのでしょうか?辛口で見ていこう!」というテーマで、23卒の就活生のESを3つ取り上げて、実際にどうなのかを解説していきます。
昨年もこの企画をやったのですが、今年も新たにESを募集する機会がありましたので、再開することになりました。
いよいよESのピークの時期がやってきましたね。セミナーや面接に向けて、皆さんもこれからたくさんESを書いていくと思います。
でも、「自分のESって本当に良いのかな?」と悩むこともありますよね。
今日は他の人のESを見ながら、どこがポイントなのか、就活のプロ視点で解説していきますので、参考にしてもらえればと思います。
本題:2名のESを解説!
では、今日の本題です。
実際に我々がどのような視点でESを見ているのか、具体的に解説していきます。
ポイントは2つ。
1つ目は、「希少性のあるテーマかどうか」。ありきたりなテーマではなく、目を引くようなものかどうかです。
2つ目は、「取り組みの独自性」です。テーマは珍しくても、内容がありきたりだと評価されにくいですし、逆にテーマが一般的でも、独自の切り口や行動があれば評価されます。
一人目:マーチの中村さんのES
それでは、最初の方をご紹介しましょう。
マーチの中村さんのESです。テーマは「大学の馬術部」。
このテーマ、なかなか見かけないですよね。大学で馬術部に所属しているだけでも珍しいのに、その活動にかかる費用が年間1000万円という点にも驚きました。
その費用をどう捻出したか、というエピソードが書かれていました。
内容的には、かなりユニークで印象に残るテーマだと思います。
評価と改善点
まず、評価のポイントとして取り上げたいのは、テーマの希少性と、エピソードの独自性です。
馬術部の活動という点では非常に珍しくて、それだけで目を引きます。ただし、活動内容やその大変さについての説明がやや不足している印象を受けました。
たとえば、「大学やJRAから支援を受けた」とありますが、他にどこから支援を受けたのか、その申請がどれほど大変だったのかは具体的に書かれていません。
もし「申請書を出せば簡単に通る」ものだったのなら、「自分が頑張った」という主張には説得力が弱いですよね。
また、「なぜ信頼構築が必要だったのか」「支援を得るためにどんな苦労をしたのか」といった部分が書かれていないので、読み手には「何がそんなに大変だったのか」が伝わりません。
そして「200万円足りなかった」とありますが、その200万円をどうやって集めたのかが書かれていないのも惜しい点です。
むしろ、800万円まではどうにか集まったけれど、残りの200万円に対してどう行動し、どう乗り越えたかというエピソードに焦点を当てたほうが、よりストーリー性のある、印象的なESになったと思います。
今後のアドバイス
「大会馬術部」というテーマ自体は非常にユニークで、ESが通過する可能性は高いと考えています。
ここで強調しておきたいのは、ESにおいては大学名やテーマのユニークさも評価される、という現実です。
ただし、面接ではそれだけでは通用しません。ESが通っても、面接で深掘りされたときに曖昧な回答しかできないと、評価は厳しくなります。
ですから、今の段階でESの内容をしっかりと整理し、「何が大変だったのか」「自分はどんな工夫をしたのか」を具体的に書いておくことが重要です。
面接では突っ込まれますから、そこに備えておきましょう。
2人目の挑戦者・松本さんのES講評
それでは、今日は2人目の挑戦者、松本さんです。国立大学の松本さんですね。
内容としては、こんな感じです。
「ダイエットをして、私は目標達成に向けて努力し、成果を出した。そして周りを刺激する力がある」と。
これは、どちらかというと“学生時代に頑張ったこと”というよりは、“自己PR”の内容になっていますよね。
さあ、この内容を皆さんと一緒に見ていきましょう。
「ダイエットかぁ…ちょっと気になりますね。大丈夫かな?」って感じもありますよね。
強みの表現が「付け足し感」に
まず好評からいきますが、ちょっと厳しめです。
「周りを刺激する力がある」っていう部分、これは“付け足し”に感じられます。わかりますよね?
「目標達成に向けて努力して成果を上げた」——これは一つの話。
「周りを刺激する力」——これはまた別の話。
なので、この2つを無理につなげている印象があるんです。
そういう意味で、この強みの書き方が少し問題だと僕は思いました。
ダイエット成功の主軸が曖昧
次に、「自分がダイエットを成功させた」ってことと、「周りがその方法に納得して取り組んだ」っていう話、どっちを主軸にしてますか?
つまり、「自分のダイエット方法が優れていた」って話なのか、
「自分のやり方に周囲が感化されて一緒に頑張った」って話なのか。
これ、どっちも言おうとして中途半端になっちゃってるんですよ。
そこが非常にもったいない。
主軸は「論理的な方法で成果を出した自分」にすべき
主軸をどっちかに絞るべきなんです。
僕だったら「自分自身のダイエットの成功」にフォーカスする。
そこで、「原因をしっかり分析して、論理的な方法を取り入れて成功した」っていう風に書けば、
その方法の“納得感”も生まれて、周囲も自然と取り組むようになった——って展開にすればいいんです。
そうすれば、あなた自身の論理性がしっかり伝わる。
じゃないと、単なる「根性で痩せました!」みたいに聞こえちゃう。
「強み」と「施策の妥当性」をセットで伝えるべき
強みを「目標達成に向けて努力できる」ってだけにすると、正直ちょっと弱いんですよ。
それよりも、「私は原因を分析し、論理的に正しいやり方で成果を出せる」って表現の方が強い。
そして、「太った原因の分析」「目標設定」「筋力を維持しながら痩せる」といった工夫——
こうした具体的な内容を書けば、読んでる人にも「この人、ただの根性論じゃないな」と伝わる。
総合評価:ユニーク性が活きないもったいないES
現状のESの書き方だと、テーマとしてのユニーク性が活きてないです。
ダイエットって、珍しいようでいてありふれてもいる。
だからこそ、論理性や独自の工夫をしっかり見せないと、埋もれてしまいます。
このままだと、通過できない可能性は高いと思います。
ES改善の具体的ポイント
- 強みを再設定:単なる努力や目標達成ではなく、「原因分析と論理的実行力」という強みに変える。
- エピソードの主軸を一本に絞る:ダイエット成功に焦点を絞り、「他人が真似した」ことは補足にする程度でOK。
- 成果に至るまでのプロセスを強調:どんな課題があり、どんな施策を取り、どのように結果を出したかを具体的に。
2人のES講評まとめとマトリックス分析
今日挑戦してくれた3人を、最後にマトリックスにまとめます。
- 中村さん:非常に希少性のあるテーマ。ただし取り組みが伝わりづらい点がある。修正すれば「就活エリート枠」入りが可能。
- 松本さん:テーマのユニークさはある。書き方を変えるだけで大きく変わる可能性がある。
実際のESから学ぶことが重要
合格したESを見ることも参考になりますが、それ以上に、
「今のESのどこが悪いのか」「どこをどう直すと良くなるのか」——
これを理解することの方が、圧倒的に重要です。
僕たちは毎年ESを見ています。だからこそ「こう書いた方がいいよ」というフィードバックができます。
皆さんも、ぜひ自分のESを見直す参考にしてください。
最後に:ES募集もしています!
「自分のES、講評してほしい!」って方は、ぜひ応募してください!
これからもどんどん募集していきます。
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