今回は「最終面接で受かるための逆質問」についてお話ししていきます。
私はこれまで10年以上、人材会社を経営してきました。その中で、数多くの方々を最終面接の合格に導いてきた経験があります。今日はその経験をもとに、最終面接でどのように逆質問をすれば合格に近づけるのか、具体的なポイントをお伝えしていきます。
ちなみに、現在うずうずでは人材を募集しています。若者が「うずうず働く」ことをサポートする仕事に興味がある方は、ぜひ概要欄をチェックしてみてください。
逆質問は合否にどう関係する?
本題に入る前に、まず2つお伝えしたいことがあります。1つ目は、「逆質問が合否にどれだけ関係あるのか?」という点です。
実は、逆質問が合否に直結するケースはあまり多くありません。多くの場合、合否は逆質問の前にすでに決まっているのです。
しかし、合否の判断が微妙な“ボーダーライン”にいる場合には、逆質問が合否を左右することがあります。今日お話しする逆質問のノウハウを使えば、合格ラインをグッと超えることができる可能性があります。
実際、最終面接を担当する役員の方々に「逆質問で合否を決めたことはありますか?」と尋ねたところ、「ある」と答えた方が非常に多かったです。ですので、この動画を最後まで見て、チャンスを掴む方法をぜひマスターしてください。
逆質問が面接の中心になるケースもある
例外として、逆質問が中心になる最終面接もあります。面接官があまり質問せず、「逆に何でも聞いて」と言われ、面接時間の大半が逆質問に使われるパターンです。
このようなケースでは、逆質問の内容がそのまま合否に直結しますので、しっかり準備しておく必要があります。
プロに相談できるサービスの紹介
就活やキャリアの悩みを、無料・匿名・無制限でプロに相談できるサービス「キャリアも」もおすすめです。98%の相談が1日以内に返信されるため、面接前日の相談でも間に合います。気になる方は概要欄をチェックしてみてください。
逆質問には必ず自分の考えを入れること
2つ目のポイントは、逆質問をする際に「必ず自分の考えを入れた上で質問する」ということです。
不合格になる人の中には、まるで学校の先生に質問するかのように、ただ「これは何ですか?」と聞いてしまう人がいます。
しかし、ビジネスの場では質問の目的を明確にし、自分の解釈を伝えたうえで、その考えが合っているかを確認する形が理想です。
たとえば、「私は将来的にこういったポジションを目指しており、そのためには〇〇が大切だと考えています。その点について、御社ではどのようにお考えでしょうか?」というような聞き方が良いでしょう。
面接官が熱く語るような質問をしよう
ここからが本題です。受かるための逆質問で最も大切なことは、「面接官が熱く語ってくれるような質問をすること」です。
多くの方が、逆質問とは「自分が知りたいことを聞く時間」だと考えています。しかし、合格を目指すなら、面接官が自分の価値観や経験について語ってくれるような質問をすることがポイントです。
面接官の価値観を引き出すには?
面接官の価値観を引き出すには、「相手に自分語りをしてもらう質問」が効果的です。特に最終面接に出てくる役員や部長クラスの方は、豊富な経験を積んでいます。そのため、彼らの過去の武勇伝を引き出すような質問が有効です。
人は誰でも自分の話をするのが好きです。特に役員や部長クラスは、これまでのキャリアで多くの苦労や成功体験をしており、語りたいエピソードをたくさん持っています。
だからこそ、「気持ちよく語ってもらえる質問」を意識しましょう。
相手の情報を調べた上で質問する
効果的に逆質問をするためには、事前に相手の情報を把握しておくことが重要です。
たとえば、最終面接前に「次の面接官はどなたが担当されますか?」と確認しておくと、その人についてネットで調べることができます。
担当する事業領域や経歴などを把握しておけば、「Aさんは長年〇〇領域をご担当されてきたとうかがいましたが…」というように、深い質問が可能になります。
そうすれば、「しっかり調べた上で質問してくれてるんだな」と面接官も前向きな気持ちで答えてくれるようになります。
情報がない場合の対応方法
もし面接官の情報がまったくない場合でも、心配はいりません。
その場合は、逆質問の1つ目として「Aさんがこれまでどのようなご経験を積まれて、現在のポジションに就かれているのか、よろしければ教えていただけませんか?」と聞いてみましょう。
その回答をベースに、2つ目・3つ目の質問へと展開していくことで、十分に効果的な逆質問が可能です。
最終面接で受かるための逆質問の仕方
具体的に相手の本音や思いを引き出すためのおすすめの質問としては、「苦労してきた経験を聞くこと」が効果的です。
たとえば、Aさんが担当されている重要な領域は、おそらくコロナによってすごく大きな影響があったのではないかと思うのですが、そこをどのように乗り越えられたのか、教えていただけますか? あるいは、シンプルに「今までAさんが◯◯という領域を長年見られてきた中で、過去一番大変だった時期はいつで、どんなことがあり、どのように乗り越えられたのかを教えていただけますか?」といった質問も有効です。
こういった聞き方をすると、その方の経歴の中で最も思い出深い話を引き出しやすくなるのではないかと思います。
また、苦労してきたこと以外では「魅力に感じている点」などを聞くのも効果的です。
たとえば、「私は本社の魅力はこういった点だと感じているのですが、Aさんが今まで◯◯という領域で長年ご経験を積まれてきた中で感じている“本社の一番の魅力”はどういったところにあるとお考えでしょうか?」といった聞き方もおすすめです。
その人が感じる会社の魅力には、その人の価値観が詰まっていたりするものです。
商品開発のポジションを受けている場合であれば、「サービスを生み出すにあたって、一番難しかったものは何でしょうか?」といった質問も良いと思います。
さらに、過去について聞くだけでなく、未来に関する質問をするのも効果的です。
未来志向の経営者は、過去の体系よりも「これからどうしていきたいか」というビジョンを語るのが好きな方が多いので、相手によっては未来の話を引き出すのも良いでしょう。
たとえば、過去の話を聞いた後に「では、今後はどうしていきたいとお考えですか?」というように、過去から未来につなげる形で質問をしていくと、自然に会話が進みやすくなります。
過去と未来の質問、どちらが効果的かという点で言うと、私は「過去の質問」の方が汎用性が高いと感じています。
最終面接に出てくるような役職者の方々は、もれなく過去の修羅場を乗り越え、実績を積んできた方たちです。そうした方に「過去について」聞くことで、その方なりの経験や価値観を話していただける可能性が高いと考えています。
一方で、たとえ役員クラスの方であっても、遠い未来を描いてワクワクしながら働いているかというと、そうではない人もいます。そうした方に未来の質問をしても、あまりその方の価値観が反映されなかったりするので、まずは「過去の質問」から攻めていくのがよいのではないかと思います。
質問の仕方と聞く姿勢がカギ
ここでめちゃくちゃ大切なのが「話の聞き方」や「姿勢」になります。
過去に、求職者の方が「どんな苦労をされたんですか?」と聞いたときに、「うーん、なんか最近の就活生、その質問ばっかりするけど、キャリアアドバイザーにそう言えって言われてんの?」みたいな反応をされてしまった例がありました。
また、「いや、そんなパッと話せるような苦労とか、そういうもんじゃないよ」と、冷たくあしらわれてしまった方もいました。
こうならないためには、「質問の仕方」や「聞く姿勢」がとても重要になります。
まず質問の仕方として、「ただ教えてください」ではなく、相手が話したくなるような、「自分はこう思っている」という気持ちや、その方の情報を踏まえた“テンプレではない質問”を意識することが大切です。
そして「聞く姿勢」についてですが、相手が話してくれているときのリアクション、これが本当に大事です。
たとえば、「はいはいはい」と真顔で聞くよりも、目をキラキラさせて「ええっ、そうなんですね! 全然気づきませんでした!」というように、前のめりで興味を持って聞く姿勢の方が、圧倒的に相手は話したくなります。
合いの手・深掘りのテクニック
また、相手をさらに乗せるための「合いの手」の工夫も重要です。
「へぇ〜そうなんですね」だけではなく、相手が話してくれた内容に“重ねる”ような合いの手を打ったり、自分のアイデアを返すといった方法もすごく効果的です。
たとえば、苦労話を聞かせてもらったときに、「お話を聞いていて、私もビジネスパーソンとして壁を乗り越えるためには、ここが大事なんだなと感じました。その中で、もう1つお伺いしたいのですが……」といったように、回答に対して質問を重ねて深掘りしていくと、相手の深いところまで入りやすくなります。
さらに、合いの手のテクニックとして「さしすせそ」があります。
- さ:さすがですね!
- し:知りませんでした!
- す:すごいです!
- せ:センスがありますね!
- そ:そうなんですね!
この「さしすせそ」を意識しながら、相手が気持ちよく話せるような合いの手を練習していきましょう。
このスキルを身につけておくことは本当におすすめで、面接だけでなく入社後にもめちゃくちゃ使えます。
目上の人や社内の方々、営業先で出会う方など、基本的には年上の人と関わることが多い中で、そうした方々に「気に入られる」ためのコミュニケーションスキルを、この就活を通してぜひ身につけていただければと思います。
以上が、最終面接で受かるための逆質問の仕方になります。
この動画をご覧いただいた皆さんが、面接官の方に「めちゃくちゃ気に入られて」、しっかり内定も勝ち取って、そして入社後も活躍していける――そんな未来が訪れることを心から応援しています。
最後までご覧いただき、ありがとうございました。