本日は「ITエンジニアの需要」についてお話ししていきたいと思います。
みなさんも最近、「ITエンジニア」という言葉はよく耳にするかと思います。ただ、実際に細かく分類していくと、かなり細分化されてしまうので、今日は大まかな枠組みでお話ししていきます。
まず、ITエンジニアの需要について触れていきたいと思います。
今の日本は、どんどん人口が減少しています。現状の日本のGDPの推移を維持しようとするのであれば、2030年までに生産性を2.5倍にしなければGDPを保てない、というデータが出ています。
実際に、生産性を2.5倍にするというのは、なかなか想像がつきませんよね。私自身も、それを簡単に実現できるとは思っていません。
ただ、2030年までにエンジニアが約70万人不足すると言われているので、それだけ需要のある仕事なんだということを、まずはイメージしていただけたらと思います。
Webデザイナーとの違いと現状
よく、「IT関係の仕事がしたい」「ホームページを作ってみたい」という方がいらっしゃるのですが、それは実際には“Webデザイナー”という仕事になります。少し、エンジニアとは異なる部分もあります。
Webデザイナーの場合、HTMLやCSSといった言語を使うことになります。ただ、最初にお伝えしておくと、しっかりとした覚悟がないとWebデザイナーはおすすめしません。
というのも、たとえば専門学校に2年間通った学生さんでも、Webデザインの分野で正社員として就職するケースが減ってきているんです。
その理由の一つが、「フリーランスサイト」の登場です。
今では誰でも簡単にフリーランスサイトに登録できますし、「まずは副業として、お小遣い程度に始めてみよう」という方が増えています。でも、それに対して受注単価などがどんどん下がってきているんです。
そのため、実際には「未経験からフリーランスで始めました。でも年収は200万円程度です」といったケースが多くなっています。
もちろん、今はITの時代ですから、需要自体はあります。ただ、しっかりと高収入を得ている方というのは、単にWebデザインができるだけではなく、ウェブ広告の運用もできるなど、複数のスキルを持っているんです。
そういった方は、年収500万円を超え、なかには1000万円を超えるケースもあります。ですが、200万〜300万円の方も多く、かなり収入に差が出ています。
ですので、本気でやる覚悟がないと、Webデザイナーはあまりおすすめできません。
ただ、興味や関心があるので試してみたい、という方は、副業レベルで少しずつ自分で勉強を始めてみるのも良いと思います。
ITエンジニアの職種について
さて、少し話が長くなってしまいましたが、ここからはITエンジニアの職種についてお話ししていきます。
ITエンジニアは、大きく分けて2つの職種に分かれます。
1つ目が「開発エンジニア」、2つ目が「インフラエンジニア」です。
みなさんが「エンジニア」と聞いてイメージしやすいのは、おそらくプログラマーなどの開発エンジニアだと思います。
開発エンジニアの場合、情報系の大学を出ていたり、実際にプログラミング言語に触れていたり、最低でもスクールに通っていたりしないと、未経験でスタートするのはなかなか難しいです。
一方、未経験でもスタートしやすいのが「インフラエンジニア」です。
少し例え話をさせていただくと、家を建てるときに、建物自体をつくるのが開発エンジニアです。ゼロから1を生み出す仕事で、家の大きさや形、中の内装なども要望によって変わるので、非常に複雑なお仕事です。
それに対してインフラエンジニアは、建てた家に対して水道や電気、ガスなどをつなげていく仕事です。
水道管やガス管にオシャレさは必要ありませんよね?一定の知識があれば、仕事として成り立つのがこのインフラエンジニアです。
インフラエンジニアの具体的な種類
ITでいうインフラエンジニアは、まさにそのような役割を担っており、大まかにはそういったイメージで捉えていただければと思います。
インフラエンジニアにも種類があり、ネットワーク・データベース・サーバー・セキュリティなど、いくつかに分かれます。
もしこれらの違いをもっと詳しく知りたいという方は、「インフラエンジニア 種類」といったキーワードでぜひ検索してみてください。
インフラエンジニアの仕事内容とキャリアパスについて
インフラエンジニアの仕事には、「上流工程」と「下流工程」があります。まずは下流工程の仕事からお話ししていきますね。
一番下の工程が「監視業務」です。ここから順に上がっていくと、「保守・運用」、「設計・構築」、そして一番上の「要件定義」という流れになります。こういった分類でインフラエンジニアの仕事は整理されます。
未経験の場合は、たいてい「監視」や「保守・運用」といった業務からスタートします。これは、すでに稼働しているシステムにトラブルがないかをチェックしたり、トラブルが発生した際に対応するという内容になります。
一方で、「設計・構築」や「要件定義」といった上流の仕事になってくると、まだ存在しないシステムをこれから作っていくとか、すでにあるものをより良いものに改善していく、という仕事になってきます。
未経験スタートのデメリット
未経験の方が「監視」や「運用・保守」からスタートすることが多いのですが、先にデメリットについてお伝えしておくと、インフラというのは365日稼働しているため、どうしてもその都度の対応が求められ、夜勤やシフト勤務が発生することがあります。
ただし、スキルアップを重ねて上流の仕事へとキャリアを積んでいけば、**3年以内には必ず「土日祝休み」「9時〜18時勤務」**といった働き方に変えていくことができます。ですので、最初の3年間はちょっと我慢の時期だと思っていただいてもいいかもしれません。
なお、私たちがお取引している企業の中には、「未経験だけれども、監視の仕事はやりたくない」「最初から土日祝休みの案件がいい」という方にも対応できる会社さんもあります。
ただ、そういった会社に入るにはしっかりとした事前準備が必要になってきますので、そのあたりは私や他のキャリアアドバイザーがしっかり対策させていただきます。気になる方は、ぜひお気軽にお声がけください。
インフラエンジニアのデメリットとメリット
ここからは、インフラエンジニアのデメリットとメリットについてご説明します。
デメリット
まず一つ目は、先ほども触れた通り夜勤やシフト勤務の可能性があるという点です。ただし、これは先ほどもお話ししたように、3年以内には必ず解消できます。
二つ目のデメリットは、SES(無期雇用派遣)という雇用形態での採用が圧倒的に多いという点です。この場合、給与が上がりにくい傾向があります。理由は、ビジネスモデル上の仕組みにあります。
簡単に言うと、SESは「派遣」と同じようなものです。皆さんはSES企業に正社員として採用されるのですが、実際の職場はお客様先に派遣される形になります。このように、派遣ビジネスモデルの特性上、どうしても給与が上がりにくいのです。
ですので、「完全未経験から経験を積むためにまずSES企業に入る」という捉え方が良いと思います。そして、将来的に給与を上げたい、より高度な仕事にチャレンジしたいという方は、転職も視野に入れて問題ありません。
三つ目のデメリットは、配属案件が入社前には分からないという点です。
配属の流れとしては、入社後2週間〜1か月ほどの研修を受けた後、何社かプロジェクト先との面談を経て、配属先が決定します。そのため、入社段階では配属先がわからないのです。
また、仕事内容に関しても企業によって異なるため、インフラエンジニアの一歩手前の「ヘルプデスク」といった仕事からスタートする場合もあります。その分、エンジニアになるまで少し遠回りになる可能性はあります。
とはいえ、完全にITとは関係のない仕事をすることはありません。IT知識を身につけ、資格も取得しながら、着実にキャリアアップしていくことが可能です。ですから、この点についてはあまり深く心配しすぎなくても大丈夫です。
メリット
続いて、メリットについてお話しします。
一つ目のメリットは、絶対になくならない仕事であることです。冒頭でも触れましたが、今後エンジニアはますます不足していきます。だからこそ、給与は着実に上がっていきます。
たとえば、「インフラエンジニア 年収」などで検索していただくと分かりますが、平均でも年収500万円程度。さらに、「設計・構築」や「要件定義」といった上流工程に携われば、年収は青天井に上がっていくことも可能です。
二つ目のメリットは、残業が少ないという点です。インフラエンジニアの平均的な残業時間は月5〜15時間程度とされています。
三つ目のメリットとしては、将来的にリモートワークも可能になるという点です。スキルを身につければ、場所を問わずに働けるようになりますので、柔軟な働き方をしたい方には非常におすすめの職種です。
最後にまとめ
「インフラエンジニア」や「ITエンジニア」と検索すると、「ブラック」「給料が安い」などネガティブなキーワードが8倍近く出てくることがあります。
ただ、これはほとんどがSES企業に関する話です。スキルを身につけて、直接雇用に切り替える、あるいはSES企業の中でも本当に優良な会社を選べば、先ほど挙げたデメリットはすべて解消されます。
ですから、「最初の3年間は先行投資」と捉えて、自分のスキルと経験を積んでいけば、将来的に困ることは絶対にありません。
「もし自分が若ければ、エンジニアにキャリアチェンジしていたかも」と思うほど、将来性と需要のある仕事です。
今日の話の中では、まだ分からない部分もあったかもしれませんが、ぜひインターネットなどで「エンジニア」について調べてみてください。