自己PRの優秀事例を解説する動画の紹介
どうもこんにちは、俊ダリーメンバーのすずです。本日は、これまでシダアリーで多数の面接動画を公開してきた中で、特に高い評価を受けた就活生4人の自己PR動画を紹介します。
この4人の自己PR動画を見て、皆さんが真似できるポイントについて、問いさんに解説していただこうと思っております。
私自身は、大学卒業後にB&Gという会社でマーケティングを担当し、その後も複数の企業でマーケティングに携わった後に独立しました。就活マニアでもあり、「外就.com」や「ワンキャリア」さんでもコラムを執筆し、『確実内定』という書籍も出版しています。よろしければぜひ手に取ってみてください。概要欄にリンクがあります。
自己PR動画をまとめて視聴できるメリット
今回の動画では、内定を多数獲得している就活生5人分の自己PR動画を連続でご覧いただけます。見比べることができるので、「自己PRはこうすればいいんだ!」とモチベーションが上がりやすくなると思います。ぜひ最後までご視聴ください。
さらに今回は特典もご用意しています。大手6社に内定した就活生の「面接想定質問集」をプレゼントいたします。こちらも概要欄にあるので、ぜひチェックしてみてください。
営業部長としての課題突破力(就活生①)
小加と申します。私の強みは「課題を突破する力」です。
私は現在、IT系ベンチャー企業で、約50名規模の組織の中で営業部長を務めています。売上は1年間で160%伸ばすことができました。
この成果に至った背景について、1つエピソードをご紹介します。
私が入社した際、その会社では大きな問題がありました。新人が非常に多く離職してしまう。また、入社した新人の成長率が他社と比べて明らかに低いという状況でした。
私が部長になったとき、「この状況を何としても改善したい」と考え、取り組んだのが「研修制度」と「評価制度」の整備です。
なぜこの2点に着目したかというと、教育体制が存在しておらず、組織が俗人的になっていたからです。これを変えるために制度を強化し、その結果、売上160%の成長を実現することができました。
以上です。ありがとうございました。
成長への貪欲さ(就活生②)
私の長所は、「成長し続けることに貪欲なところ」です。
インターンとして働いていたインターネット広告会社では、初月で12人中1位の社内MVPを獲得しました。
最初は、その日のクリック数を報告するだけの業務でしたが、「これではロボットと変わらない」と気づきました。そこで、広告の写真を変えたり、ターゲット層を40代まで広げたりと、具体的な改善策を取りました。
その結果、広告の成果が早く出るようになり、複数の案件を任せてもらえるようになりました。そして社内MVPに選ばれました。
学業面では、履修した授業の単位はすべて取得することを目標とし、1つも単位を落とさずにやりきりました。
さらに私は、自分の学部にとどまらず、哲学や芸術学といった分野にも挑戦し、自分の興味を深めていきました。
このような経験から、社会に出ても「成長し続けることに貪欲」でいられると考えています。
しつこさが武器(就活生③)
私の強みは「しつこさ」にあると思っています。このしつこさには「人に対するしつこさ」と「物事に対するしつこさ」の2種類があると思います。
具体的なエピソードとしては、予備校でのアルバイトにおいて、前例のない長期合宿のような企画を立ち上げ、成功させた経験です。
私は7名のチームリーダーを務め、35名の生徒さんを対象に企画を実行しました。チームメンバーを集める段階から、大学生活で皆が忙しい中でも、3日に1回の頻度でしつこくミーティングをお願いしました。
企画自体にも徹底的にこだわり、最終的には校舎史上最高の成果を残すことができたと思います。校舎長からもお褒めの言葉をいただき、自信につながりました。
このような「しつこさ」を活かして、将来的にはビジネスマンとして活躍したいと思っています。どうぞよろしくお願いいたします。
やり抜く力(就活生④)
私の強みは、「どんなに高い壁や困難な状況でもやり抜く力があること」だと思っています。
この強みは、私の人生最大の挫折経験から得た学びです。自己紹介でも触れましたが、私はバスケットボールを長年続けてきました。
高校時代には、約230人の部員がいる大規模な部活動でレギュラーを務めていましたが、高校2年の冬前に「脊椎分離症(腰の骨が剥がれる怪我)」を負ってしまいました。
医師からは「諦めた方がいい」「引退すべきだ」と言われましたが、私は「絶対に諦めたくない」と考えました。骨がくっつかないのなら、徹底的に筋トレをして体幹を鍛えようと思ったんです。
そこから約半年間のリハビリを経て、最後の大会前に復帰することができました。そして自分自身も、チームとしても納得のいく成果を得ることができました。
この経験が、私の「やり抜く力」の証明だと考えています。
就活生たちのPRに対する解説と感想
ということで、今回は5人の自己PRを見ていきましたが、いかがでしたか、問いさん?
あれはもう、生っ粋の“毒”でしたね(笑)。「私も営業部長の経験あるし」と思う人、いませんよ。ほずみ君、ちょっと桁違いでした。
あの内容は中途採用の面接でも圧倒的に通用するレベルの経験なので、「自分もほずみさんみたいにならなきゃ」と思った人は、安心してください。そんな必要はありません。大丈夫です。
大事なのは、我々が真似できるレベルで「何が良かったのか?」という点です。
特に注目すべきは、わずか1分間の中に「何が課題だったのか」「どう対策したのか」が非常にうまくまとめられていたことです。無駄な言葉が一切ありませんでした。
あれは相当練習しているか、あるいは天才かのどちらかです。でも我々も練習すれば、あれくらい端的に話せるようになります。
ポイントは、ほずみさんが使っていた「フレームワーク」を真似することです。フレームワークとは、「考える順序」のことですね。まず「自分が出した成果」から話す――
ビジネス経験がない学生でも、ビジネスパーソンに聞いてみたり、壁打ちしてみたりすることで、分かりやすく説明できるようになると思います。なので、OB訪問のときに自分のエントリーシートを持っていって、「この経験を会社員に分かりやすく説明するには、どう言ったらいいと思いますか?」って相談してみるのがいいと思います。
あとは、お父さんやお母さんが会社勤めされているなら、「これって会社員に伝わりやすくするには、どんなふうに説明したらいいかな?」って聞いてみるのもおすすめです。
向いている業界・向いていない業界
「どういう業界だったら受かりやすいのか、ざっくり教えてもらえませんか?」という質問についてですが、一言で言うと「個人の裁量権が大きいところ」が向いていると思います。
逆に、ほずみさんを“ダメにしたい”と思ったら、旧態依然としていて若手に一律で裁量権がなく、上から言われたことだけを補助するような職場に3年くらい放り込むと、きっとすごく腐っちゃうと思います。
実は、あまり伝統的な日本企業には向いていないタイプですね。ご本人も、多分それは自覚されているんじゃないかと思います。
ですので、たとえば商社みたいに若手でも下積み期間がありつつバリバリ働かされるような業界とか、コンサルタント、もしくは外資系企業、そして最後にベンチャー企業っていう選択肢が出てくると思います。
この辺りはもう、好みの問題だと思います。年次が上がっていくことで給料も上がる、年功序列が実は好きで、雇用の安定も欲しいなら商社が向いていますし、最初の給料でドカンと上げたい、実力主義が好きっていうなら外資系企業です。もっと何でも自分で回したい、職種に限定されず全部見たいというタイプならベンチャーが向いています。
商社を目指すなら
商社に行きたいっていう人は、YouTubeを見てる方の中にも多いと思うんですけど、そういう場合は「裁量の大きい仕事をしてきた」っていうアピールができると、わりと受かりやすいです。
そのときに大事なのは、裁量の大きい仕事で「リーダーシップを発揮した」っていうポイントです。ただ「ぼーっとしてました」とか、単に任されてただけみたいな話は絶対にしないようにしてくださいね。
高柳さんの自己PRについて
続いて、高柳さんの自己PRについてです。高柳さんは話す速度がかなり一定な方なんですけど、あそこまで一定で話せて、しかも“つまらなくない”っていうのは相当すごいことで、ひとつの才能だと思います。
抑揚もほとんどなかったのに、なぜかずっと聞いていられる。それって本来、人間は退屈しちゃうはずなんですけど、それでも「へぇ、そうなんだ」って聞き続けられるのは、まさにもはや才能だと思います。
正直、何かしら声に関する仕事に就いてもいいレベルだと思うんですが、まぁ多分そういう志望ではないと思うので一旦置いといて。
エピソード構成の工夫
エピソードに着目すると素晴らしかったのが、「加活動の話」と「学業の話」の両方を入れていたことです。普通、自己PRって1分の中に2つのエピソードは入れないほうがいいって言われているんですね。時間的に無理なので。
でも、それをうまく両立させていた。なぜなら、高柳さんの最大の強みが「両立できること」だからです。
実際、トップ企業に内定する人って、勉強もできるんですよね。よく就活に対する批判で、「加害活動ばかり評価されて、学問は評価されていない」と言われたりしますけど、トップ企業に内定する人たちは全部タイム取ってて、なんなら学年主席だったりしながら加害活動もしているんです。
なので、そういう意味で、高柳さんは“バランスよく優秀さを売り込んだ”という点で、「私はちゃんとしてます」「ちゃんとした人間です」という印象を与えられた。それがむしろ価値だったと思います。
向いている業界について
「どういう業界だったら受かりやすそうですか?」という質問に対しては、プレッシャーにさらされる中でも“ちゃんとしてなきゃいけない”ようなところで評価されるタイプだと思います。
たとえばテレビ局の中でテロップを確認する部署や、報道前にファクトチェックをする部署、出版社の校正・校閲部署など、そういった局所でポイント的に力を発揮するタイプですね。
一般的な企業でいえば、ファイナンス系の経理部門とか、メーカーの工場側で品質チェックや安全確認をするような仕事も向いていると思います。
時間制限の中での強さ
「今の自己PRの動画を見ていて、“情報量がすごい”と思ったけど、他の就活生もああやってできるんですかね?」という質問に対しては、
高柳さんはかなり上級テクニックを使っていて、「自分のエピソードに他人を入れていない」んです。
普通はこれは“悪手”とされることです。というのも、チームワークを通してどう仕事をするかを見たいのが企業側だからです。でも、高柳さんは「広告会社での広告運用」という、すごく“仕事ど真ん中の成果”を自己PRに選んだことで、他人を入れなくても「仕事ができる自分」を見せることに成功したんですね。
もし仮に「上司を説得した話」とかにしちゃうと、上司の人となりとか、どうやって説得したのかなどの説明も必要になるので、1分の尺ではすぐに埋まってしまいます。
でも高柳さんは、たぶん実際は他人とやっていた部分もあると思うんですが、あえて“排除した”。その判断が非常に良かったと思います。
稲山さんの自己PRの評価
稲山さんは、非常に面白い戦い方をされていました。まず挙げられるのが「粘り強さ」。これは就活において、よくある典型的な自己PRの強みで、「年間100回は聞くかな」というくらいよく登場します。ですので、今もし学生が「私、粘り強さを強みにエントリーシートを書こうと思っていて、面接も頑張るつもりです」と相談に来たら、私は止めます。なぜなら、もしライバルに本当に粘り強い人がいたら、勝てないからです。
では稲山さんはどうやって勝ったのか。彼女は「しつこくやった」と、ものすごい回数で繰り返し言っていたんですよね。たぶん5回くらいは「しつこくやった」と言っていました。具体的な数字はあまり出していないんですが、あまりにもしつこく「しつこく」と言っていたので、「この人、本当にしつこいんだな」と伝わる。むしろ「しつこく」という言葉を“しつこく”言いすぎていて、それが面白さにつながっていました。
これは、稲山さんにしか使えない戦法で、彼女なりの勝ち方だったと思います。話し方もきちんと構造化されていて、相手にすっと入ってくる話し方をしていたので、総合力で内定につながったのだと思います。
動画内でも何回も「しつこい」「しつこい」って同じ単語を使っていたと思いますが、自己PRとしては問題ないんでしょうか?——これは単語によりますね。例えば「さっぱり」という単語を何度も言われると、「この人、さっぱりなのか、しつこいのか分からない」となって意味が混乱します。でも「しつこさ」を売りにしていて、「しつこい」と繰り返しているのは、むしろプラスだったと思います。
さらに言うと、「自分をどう記憶してほしいか」という戦略の観点も大事です。皆さんが応募するような倍率の高い企業では、本当に1,000人単位で面接をする必要があります。その中で「この人にしよう」と思ってもらうには、まず記憶に残ることが重要です。
そのためには、強烈なフックになる単語を使ったり、面白いエピソードで印象を残したりと、いろんなやり方があります。稲山さんは、「しつこさ」でしっかり印象を残しました。これは戦略の取り方次第なので、単語を繰り返せば勝てると短絡的に考えるのではなく、「自分はどう記憶されるべきか」という戦略を立てることが重要です。
稲山さんに向いている業界
1つはアナリストやリサーチャーのように、何かをしつこく調べる仕事も向いていると思います。また、稲山さんの場合、人に対してもしつこく粘ることができるので、説得に時間がかかるような商材を扱う営業にも向いているでしょう。
たとえば不動産で、家を1件買うような人は1〜2年単位で悩むことも多いですよね。その中で「でも、これ買いましょうよ!」と言い続けることができる人には、「しつこさ」がかなり重要です。結局、家の違いというのは性能の差などをいろいろ調べますが、専門家レベルでの違いまでは分からない。だから最終的には「人」で決まることが多いんです。
そういう意味でも、稲山さんはおそらく案件を取りまくると思います。
須藤さんの自己PRの評価
須藤さんは、正直「根性」を売りにしていました。そして「根性」というのは、就活において非常に学生ウケします。とても多いんですよね。
ただし、社会人側から見ると、「本当にそんなに根性あるんか?ないやろ」という疑念を持たれがちです。実際、話を聞いてみると「それって本当に根性いるの?」というエピソードも多いです。
これは、若手の働きぶりを研究している専門家も指摘していることで、若者が自分の長所として「自主的に動けること」や「根性(粘り強さ)」を挙げがちです。しかし、社会人側からは「根性がない」と思われているという大きなギャップが生じやすく、これは非常に危険な自己PRなんですね。
でも、須藤さんは本当に「根性がある人」だった。だからこそ、自己PRとしての説得力もあったし、自分の強みをしっかりと出せていた。それが逆に須藤さんの魅力でした。
ただし、就活生としては、「こんな根性の見せ方をする人が隣にいたら、自分は勝てない」という学びにもなります。つまり、「根性で自己PRをするのはやめよう」と。そういう人が隣にいたら集団面接で負けてしまいます。
なので、自分の強みをもう一度、先輩や専門家、キャリアセンターなどに言葉にしてもらうと、意外と違う強みが見つかると思います。「この人間と戦うのはやめよう」という判断も大事ですね。
須藤さんに向いている業界
須藤さんは、ほずみさんとは逆で、伝統的な日本企業であれば、基本的にどこでも愛されると思います。ただし、「兵隊扱い」されるリスクがかなり高い。
「兵隊」というのは例え話で、体力にものを言わせて、ひたすら前線で働かされる、つまり“消耗品”的に扱われる存在を指します。就活界隈ではよく使われる表現です。
そういう働かされ方をするリスクがあるので、単に「大手だから」「内定したから」と飛びつくのではなく、内定が出たタイミングでしっかりOB訪問や会社訪問をして、「自分は兵隊として扱われるのか?」「それとも経営人として評価されるのか?」を確認すべきです。
須藤さんは、雇ってくれる会社があれば、本当にCEOレベル——つまり将来的に社長になれる素質を持っている人です。だからこそ、「自分をただの兵隊と見る会社」ではなく、「この人は指揮官だ!」と評価してくれる会社に、自分をお迎えしてもらうようにしましょう。それが、人生の大きな分かれ道になると思います。
最後にアドバイス
本日は、4人の自己PRを見ていきました。皆さん、これまでの動画でも特に高い評価を受けてきた方々ですので、ともさんからの実践的な解説も「なるほど」と思える内容だったのではないでしょうか。これから面接が控えている方は、ぜひ今回の自己PRを参考にしてみてください。
最後にTKからひとつだけアドバイスをさせてください。
1社目は落ちて当然です。だから、いきなり本命の企業に挑まないでください。
練習のつもりでも構わないので、たくさん受けて、たくさん練習して、力をつけてから本命の企業に挑んでください。後悔しないように、本戦、頑張ってください!