今日の大きなテーマは「どの業界が稼げるのか」ということと、「おすすめの業界」についてです。
とはいえ、「おすすめ」といっても人それぞれ違いますよね。
そこで、「この業界はこういう人に向いている」とか、「こういうスキルが身につく」といった観点からもお話できればと思います。
最後には、転職方法についても解説していきます。
まずは「稼げる業界」について。
今日ご紹介するのは以下の5つです。
- メーカーの営業(特にキーエンスなど)
- M&A仲介業界
- 生命保険業界
- 投資用不動産業界
- 外資系IT業界
せっかくなので、この5つ以外にも「20代で1000万円稼げる業界ってある?」という点にも触れていきたいと思います。
営業でインセンティブが青天井の業界とは?
私自身、M&Aアドバイザーをしていた経験から、中小企業をたくさん見てきました。
その中でも、営業職にインセンティブ制度を設けている会社は結構あります。
一般的なメーカーやBtoB向けの営業職でも、インセンティブ制度があることで、必ずしも1000万円とはいかなくても、同世代より高い年収を得られる会社も存在します。
特に、M&A仲介、生命保険、投資用不動産といった業界では、インセンティブの上限がない、いわゆる「青天井」な会社も多く、20代で年収1億円を超える人もいれば、成果が出なければ400〜500万円程度に留まる人もいます。
一方、キーエンスのようなメーカーでは、外資と違って社外で年収1億円以上を目指すような事例はほぼないですね。
キーエンス出身者がM&Aに転職する理由
私たちがM&A仲介にいたときも、キーエンス出身の方が多く転職してこられていました。
業績によって多少変動はあるようですが、入社2年目で年収1000万円を超える人もいますし、20代後半で1500万円に到達する人も珍しくないようです。
ただ、キーエンスの中で年収1億円を目指すのは現実的ではないので、キャリアの方向性としては、キーエンスのようなメーカー営業か、それ以外のインセンティブ重視の業界に分かれるのかなと思います。
また、中途でキーエンスに入るのは枠が非常に少なく、現実的にはM&Aや保険、不動産など、他の4業界のほうが入りやすいですね。
総合商社やメガバンクが入っていない理由
「総合商社やメガバンクも20代で1000万円超えそうだけど、なぜ今回の対象に入っていないの?」という疑問があるかもしれません。
これは、今回の動画が「営業職」にフォーカスしているからです。
総合商社や銀行は必ずしも「営業職」というイメージではないですし、中途での採用もかなり狭き門なので、あえて外しています。
おすすめ業界は人によって違う
次に、「おすすめの業界」についてです。
「おすすめ」という言葉は非常に主観的なので、ここでは「どんな人に向いているか」「どんなスキルが身につくか」という観点からお話しします。
キーエンスに向いている人の特徴
まず、キーエンスに向いている人ですが、「決められたタスクをしっかりとこなすことができる人」、そして「その業務量に耐えられる人」が向いていると思います。
私はキーエンスで働いたことはありませんが、話を聞く限りではKPI管理や行動管理が非常に厳格で、営業日5日のうち3日は外回り、2日は電話営業といった具合に、すべてが決められているそうです。
そのスケジュールに従って行動すれば、結果もついてくるという「仕組み化」が整っているため、個人の工夫やアイデアよりも、決められたフィールドで成果を出す力が求められます。
キーエンスで身につくスキルとその限界
キーエンスで得られるスキルは大きく2つです。
- マルチタスク能力
→ 日々の業務量が膨大なので、いかに効率よくこなすかが重要です。 - スピード感を持った仕事力
→ とにかく速く処理する力が求められ、自然と鍛えられます。
ただ、一定数の人は「この会社でしか通用しないのでは?」という不安を感じて、M&A仲介など他業界へ転職されるようです。
キーエンスの営業力は汎用的か?
営業会社としてはトップクラスのキーエンスですが、「キーエンスで学んだ営業力は他でも通用する」と私は思っていました。
ただ、実際に中の方の話を聞くと、そう思えない理由があるようです。
1つ目は、製品自体の強さです。キーエンスは単価も性能も非常に高いので、「自分の営業力で売っている」というより「製品が優れているから売れている」と感じる人も多いようです。
2つ目は、KPIや仕組みの徹底です。会社の枠組みの中で成果が出せていたけれど、その枠がなくなったときに通用するのか、不安に感じる方もいるということです。
自分の頭で考え行動できる人が向いている仕事とは?
M&A仲介の仕事は、上からの指示通りに動くよりも、自分で考えて動ける人に向いています。また、誰かに管理されるのではなく、自分自身を律して成果を出す力も求められます。そういった「考える力」と「自律性」を持つ人には非常におすすめの業界です。
M&A仲介で身につく汎用的なビジネススキル
M&A仲介では、中小企業のオーナーとの接点が多く、税務・財務・法務など幅広い知識を実務を通して学べます。特定の分野で専門家にはなれなくても、他業界へ転職しても通用する「五角形のスキルセット」が身につくのが特徴です。
生命保険業界に向いている人とは?
生命保険の営業には、特に以下の2つのタイプが向いています。
- 対面でのコミュニケーションが得意な人
- 人に親しまれるキャラクターを持つ人
これらの要素を持つ人が、実際に成果を上げている傾向にあります。
生命保険営業で身につく能力
この業界では「付加価値を提供する力」と「紹介を得る力」が重要です。単に保険を売るだけでなく、金融や投資の知識を活かして顧客に価値ある情報を提供する姿勢が差別化になります。また、自分がいない場面で他人から紹介される力も重要なスキルです。
不動産業界に向いている人の特徴
不動産営業に向いているのは次のような人です。
- フットワークが軽く、積極的に人と会える人
- 資産形成に興味を持っている人
特に資産形成に興味がある人は、お客様の投資・資産形成のサポートに前向きになれるため、長く活躍しやすいです。
不動産営業で培われる「突破力」と「忍耐力」
不動産営業は、名刺交換や飛び込み営業、電話営業など泥臭い努力が必要な仕事です。その中で鍛えられる突破力や忍耐力は、他の業界では得られにくい貴重なスキルといえます。
外資IT営業に向いている人の特徴とは?
外資系IT営業に向いているのは、次のような人です。
- 周囲を巻き込んで仕事がしたい人
- リスクを取ってでも稼ぎたい人
多くの関係者と連携してプロジェクトを進めるため、巻き込み力が不可欠です。また、外資系ならではの成果主義に適応できるかどうかもポイントです。
外資ITで求められる「巻き込み力」と「リスクテイク精神」
たとえばSalesforceのように、営業だけでなくシステム担当者や外部パートナーなど多くの関係者が関わる営業スタイルが特徴です。また、成績次第で解雇リスクもある反面、成果に見合った報酬を得られるという魅力もあります。
未経験の転職には「特化型エージェント」がおすすめ
転職方法としてはさまざまありますが、未経験者には「業界特化型の転職エージェント」を使うのがおすすめです。総合型エージェントは情報の幅は広いものの、各業界への理解が浅いため、M&A仲介など専門性の高い業界には不向きな場合があります。