Web面接は、ブラック企業を避け、理想の転職を叶えるための重要な手段となっています。今回は、コロナの影響で実施企業が急増した「Web面接」について、採用担当者や現役の転職活動者への取材をもとに、徹底的に解説します。
Web面接は今後の主流に
Web面接を取り入れている企業はすでに多く、今後さらに増えていくと考えられます。企業側としては、面接会場を用意する手間が省けますし、転職者にとっても移動時間を削減できるため、仕事の合間でも面接を受けられるというメリットがあります。
たとえば、志望企業が遠方にあってもWebなら問題ありません。企業側、応募者側、双方にとってメリットが大きいのです。
Web面接のデメリットも把握しておく
ただし、デメリットも存在します。主に以下の3点です。
- 感情が伝わりにくい
- 操作に慣れていない
- 対面との情報量の差
そのため、「最終面接は対面がいい」という企業もありますし、地方の企業ではWeb面接の導入が進んでいない場合もあります。しかし、これらのデメリットを上回るメリットがあるため、今後2〜3年以内にはWeb面接が転職活動のスタンダードになるでしょう。
すでに、Web面接こそが転職成功のカギを握る時代が訪れつつあります。だからこそ、Web面接ならではの「落とし穴」を理解しておくことが重要です。
今回の動画内容について
今回の動画では、「Web面接・準備編」と「Web面接・本番編」に分けて、合計19個の重要ポイントを紹介します。スピーディーかつ分かりやすく解説し、この15分であなたをWeb面接マスターに導きます!
【準備編】Web面接で失敗しないための基本ポイント
ポイント① スマホよりパソコンを使うべし
会議でもそうですが、Web面接はスマホではなくパソコンで行いましょう。私が取材した複数名の方も、スマホでWeb面接をした人はほとんどいませんでした。
スマホだと、ちょっと触れただけでカメラがズレたり、倒れたりします。画面も小さいですし、LINEの通知が来て気が散るなど、いいことがありません。基本中の基本として、Web面接にはパソコンを使いましょう。
使用アプリはZoom、Skype、Teamsなどが一般的ですが、まれに聞き慣れないアプリを指定されることもあります。操作方法はだいたい似ていますが、必ず事前に指定アプリをパソコンにインストールしておきましょう。
ポイント② ネット回線はなるべく有線で
自宅にポケットWi-Fiしかないという方もいると思いますが、できれば有線接続をお勧めします。回線が不安定だと画面がフリーズして変な空気になることもあり、そこから雰囲気を立て直すのは大変です。
「この人、準備できてないな」と思われたり、無駄にイライラさせてしまう原因にもなり得ます。有線環境が難しい場合でも、ポケットWi-Fiの安定性を事前にチェックしたり、緊急時のためにスマホのテザリングを用意しておくなどの対策をしておきましょう。
ポイント③ マイク付きイヤホンを使う
パソコン内蔵のマイクやスピーカーで会話するのはおすすめしません。面接官にはこちらの音声が聞き取りづらくなり、逆にこちら側も雑音の影響を受けて、面接官の声が聞き取りにくくなります。
おすすめは、マイク付きで耳にしっかりフィットするタイプのイヤホンです。Amazonで1,000〜2,000円程度で購入できます。メーカーは特に問いませんが、たとえばSONY製など安心感のあるものを選ぶとよいでしょう。おすすめ商品は概要欄にリンクを貼っておきます。
ポイント④ カメラ目線を意識する
ノートパソコンに内蔵されているカメラは、たいてい自分の目線より下についています。そのため、通常の角度だと見下ろしているような印象を与えたり、やや不格好に映ってしまうことがあります。
見た目は第一印象に大きな影響を与えます。履歴書の写真に気を使うように、Web面接でも見た目にはこだわりましょう。
一番簡単な対策は、ノートパソコンの下に本を数冊積んでカメラの位置を目線と同じ高さにすることです。バランスが不安定になる場合は、パソコンスタンドを購入するのもおすすめです。作業時の肩こり軽減にもつながります。こちらもおすすめ商品を概要欄に載せておきます。
ポイント⑤ アイコン画像と名前を整える
副業で使っている名前(例:皿ため)や、Zoom飲み会用のテンションのままの設定で面接に臨むと、とても恥ずかしい思いをします。たとえば、Zoomの表示名が「皿ためさん」になっていたら、正直かなりキモいですよね。
致命傷にはなりませんが、無用なマイナス印象を避けるためにも、アイコンは証明写真風のもの、もしくは画像を設定しない、名前は本名(漢字)にしておきましょう。
ポイント⑥ 背景に注意する
Web面接では顔だけでなく背景も見られます。たとえば、洗濯物のパンツが干してある、空き缶が山積みになっている、といった状態だと「だらしない人だな」と思われる可能性があります。
もちろん、背景で無理にブランディングをする必要はありません。ただし、面接官の気を散らせたり、変なツッコミどころを与えるような背景は避けましょう。
ポイント7:明るさをチェックする
自分の顔が映る映像の「光の強さ」は必ずチェックしましょう。基本的には、自分の顔が明るく見えるほうが印象がいいです。部屋の位置とか、カーテンを開けるかどうかだけでも、顔の見え方は結構変わるので、いろいろ試してみてください。自分が一番イケメンに見える明るさを探してみましょう。
ポイント8:万が一のカンペを用意する
これはWeb面接ならではのメリットなんですが、相手の面接官にはこちらの表情は見えていても、こっちのパソコン画面までは見えていないんですよ。だから、カンニングペーパーを画面上に出しておくことができます。
おすすめのやり方は、Web面接のアプリのウィンドウを小さくして、画面の半分で面接、もう半分でメモを表示させておくという方法です。Windowsのパソコンであれば、「Windowsボタン+矢印キー」で画面をうまく分割できるので、ぜひやってみてください。
ただし、注意点があります。カンペをがっつり見ながら話すと、目の動きや話し方でバレてしまいます。なので、あくまで「頭が真っ白になったときの最後の保険」として用意しておきましょう。
基本的には、対面のときと同じように、面接で話す内容――他の動画でも解説している主な質問に関しては、しっかり練習して、スラスラ答えられるようにしておく、つまり完全に暗記することがマストです。
ポイント9:リハーサルをする
面接本番と同じ環境で、必ずリハーサルをしてください。写り方やネット環境をしっかり確認しましょう。家族や友達にお願いしてもいいですし、転職エージェントを使っている方は、担当者にチェックしてもらうのがベストです。
可能であれば模擬面接を実施してみてください。実際にやってみると、問題点が1つか2つは見つかると思うので、本番までにそこを改善しておきましょう。
ポイント10:ベストな環境を検討する
これまでお伝えしてきた内容をもとに、「写り方」「ネット回線」「生活音」などを踏まえて、ベストな環境で面接に臨みましょう。
基本的には自宅がベストです。自分で自由にセッティングできますし、直前に何かトラブルがあっても対応しやすいです。
どうしても「部屋が汚すぎる」とか「騒音がひどい」とかで自宅では無理という場合は、快活CLUBというネットカフェがひとつの選択肢になります。いわゆる“そうてる”って呼ばれてるやつですね。
自宅以外の環境は条件が結構厳しいんですよ。個室で大きな声で話せて、かつ周囲が静かで、なおかつ面接の日程に合わせて予約できる場所――そういう条件を全部満たす場所ってなかなかないんです。
普通のネットカフェだと難しいかもしれませんが、快活CLUBにはテレワーク用の鍵付き個室があって、3時間でだいたい1300円くらいで予約できます。
他の選択肢としては、ビジネスホテルの「日中だけ使えるプラン」とかもあります。ただ、例えばドーミーインとかアパホテルみたいな手ごろなホテルでも、リハーサル含めると1万円くらいかかってきちゃうんですよね。面接1回に1万円かける価値はあると思いますが、感覚的にはちょっともったいなく感じるかもしれません。
なので、自宅以外でやるなら快活CLUBくらいが現実的な落としどころかなと思います。
ここまでが準備編でした。
ここからは本番編、面接当日のチェックポイント9つをお伝えしていきます。
本番編ポイント1:手元に必要なものを用意する
必要なものは以下の通りです:
- 志望企業に提出した履歴書や職務経歴書のコピー(これらを見ながら面接が進む可能性があるため)
- ノートやメモ帳(逆質問や今後の選考スケジュールをメモするため)
- スマホ(通信トラブル時にすぐ連絡を取れるように)
ちなみに、パソコンでメモを取るのは避けた方がいいです。タイピング音が相手に聞こえてしまうことがあるので、手書きのメモの方が印象が良くなります。
あと準備編で言い忘れていたんですが、通信トラブルに備えて緊急連絡先を事前に共有しておくと安心です。基本は企業側が用意してくれると思いますが、自分でも「通信が切れたらどうするか」は考えておきましょう。
ポイント2:スマホの通知を切る
面接中にLINEの通知が鳴ったりすると、かなりマイナスです。スマホは必ず「おやすみモード」や「通知オフ」にしておきましょう。
ポイント3:10分前に準備完了、5分前に入室
今お伝えしたような準備は、遅くとも面接開始の10分前までに完了させてください。そして、5分前にはWeb会議のURLから入室して、画面を開いた状態で面接官を待ちましょう。
ポイント4:つながったら確認とお礼
Web面接では、普通の対面面接のように「ノックして失礼します」がありません。なので、つながった瞬間が面接の開始になります。
ちょっとドキッとすると思いますが、まずは通信がうまくいっているかを確認しましょう。
「すみません、こちらの声、聞こえてますでしょうか?」という感じで確認します。相手の声も聞こえて、こちらの声も届いていると分かったら、次は自分の名前と時間を伝えます。
「11時から面接のお時間をいただいております、改と申します」という感じです。面接官も1日に何人も面接しているので、「この人誰だっけ?」と不安になる可能性があるため、こちらから時間と名前をしっかり伝えると安心されます。
問題なさそうだったら「本日はお時間いただきましてありがとうございます」とお礼を伝えて、導入部分は終了です。
まとめると:
- 通信環境の確認
- 時間と名前の自己紹介
- お礼の言葉
この3点を押さえておけば、あとは面接官に流れを任せて大丈夫です。
ポイント5:声が聞こえない場合はチャットで対応
通信環境の確認をしても、相手の声が聞こえないというケースもあります。さすがに面接官がミュートにしているという初歩的なミスは少ないと思いますが、マイクなどの機械トラブルの可能性はあります。
そういうときは焦らずにチャット欄に「声が聞こえません」と入力して伝えましょう。それでもうまくいかない場合は、緊急連絡先に電話またはメールしてください。
重要なのは、トラブルが起きても焦らないこと。通信トラブルは誰のせいでもありませんし、そのときの冷静な対応力も見られていると思って、落ち着いて対応しましょう。
ポイント6:いつもの3割増しで感情を表現する
いざ面接が始まったら、普段より感情を3割増しで表現することを意識してください。冒頭でも言いましたが、Web面接はリアルな面接よりも感情が伝わりづらいという欠点があります。
相手がその場にいないと、どうしても笑顔が出しにくかったりしますよね。なので、ユーチューバーにでもなったつもりで、画面に向かって積極的に笑顔を見せるようにしましょう。
また、相手が話しているときは、しっかり体を使って頷いて「私はあなたの話を聞いていますよ」という姿勢を、画面越しにも伝えることが大切です。