今回は、「会社を辞めたい」と思ったときに、感情的になってすぐ退職するのではなく、事前にやっておくと後々得をすることや、いざ退職するときに穏便に進めるためのポイントについてお伝えします。
まずは、「辞めたい」と思ったときにやっておくべき3つのことをお話しします。
やっておくべき3つのこと
なぜ辞めたいのかを冷静に整理する
1つ目は、「なぜ辞めたいのかを冷静に整理する」ことです。
多くの方は、何かしらのきっかけで「辞めたい」と感じると思います。
例えば、会社から低い評価を受けた、嫌な部署に異動になった、上司から小言を言われた、など人それぞれです。
このときにありがちな誤解が、「きっかけとなった出来事＝不満のすべて」と思い込んでしまうことです。
しかし実際には、それ以前から不満が少しずつ蓄積していた場合が多いのです。
そのことに目を向けず、きっかけだけを原因と捉えてしまうと、次の転職先でも同じ失敗を繰り返してしまう可能性があります。
まずは、自分が何に不満を感じていたのかを冷静に整理してみましょう。
自分のキャリアの軸を改めて考える
2つ目は、「自分のキャリアの軸を改めて考える」ことです。
1つ目で整理した不満に加えて、「この仕事は楽しかったな」「これは得意だったな」と感じた経験も思い出してみてください。
新卒のときは、働いた経験がない状態で企業を選んだと思いますが、今のあなたには実際に働いた経験があります。
その経験からヒントを得て、これからどんなキャリアを築いていくかを考えてみましょう。
どんな職種が合うのか、どんな業界がいいのか、どんな条件で企業を選ぶべきかを整理してみてください。
本当に辞めるべきかを考え直す
3つ目は、「本当に辞めるべきかを考え直す」ことです。
ここまでで、不満の内容や自分がやりたいことのイメージが整理できたと思います。
そのうえで、「今の会社では本当にその希望が叶わないのか？」という点を再確認してみてください。
もちろん、それでも「辞めたい」という結論に至ってもかまいません。
ただし、退職回数が増えすぎると、転職活動で不利になることもあります。
もし社内異動の希望を出せたり、人事に相談できる余地があるのなら、まずはそういった手段を試してから最終的な判断をすることをおすすめします。
辞めたい気持ちを客観視するための具体的な行動
「辞めたい」という感情は、時に冷静な判断を曇らせてしまいます。一時的な感情に流されず、客観的に状況を把握するために、次に挙げる具体的な行動を試してみましょう。
信頼できる人に相談する
まずは、社内外の信頼できる人に相談してみるのが良いでしょう。友人、家族、大学の先輩、あるいはキャリアアドバイザーなど、第三者の視点からの意見は、あなたの視野を広げるきっかけになります。
ただし、相談相手を選ぶ際には注意が必要です。会社の同僚や、同じように不満を抱えている人ばかりに相談すると、感情論に終始してしまったり、余計にネガティブな感情が増幅されたりする可能性があります。客観的で建設的なアドバイスをくれる人を選びましょう。
外部の転職エージェントに相談してみる
「辞めたい」という気持ちが少しでもあるなら、転職エージェントに一度相談してみることを強くおすすめします。
実際に転職する・しないは別として、プロのキャリアアドバイザーにあなたの経験やスキルを伝え、客観的な市場価値を教えてもらいましょう。今の会社では得られないような、新たなキャリアの選択肢を提示してくれるかもしれません。
- 市場価値の把握: 自分のスキルや経験が、他の企業でどれくらいの価値があるのかを知ることで、現状の不満が「自分の市場価値に比べて低い」と感じるものなのか、「そもそも市場価値が低い」と感じるものなのかが明確になります。
- 求人情報の収集: どんな求人があるのかを知ることは、あなたのキャリアの選択肢を広げ、次のステップを具体的にイメージする手助けになります。
- 情報収集と準備: 転職市場の動向や、実際に転職活動を進める際の準備（履歴書・職務経歴書の書き方、面接対策など）について、具体的なアドバイスを得られます。これらの情報は、たとえ転職しないとしても、今の会社での働き方を見直すきっかけにもなるでしょう。
無料で利用できるエージェントも多いので、まずは情報収集のつもりで気軽に話を聞いてみるのが賢明です。
部署異動や業務内容変更の可能性を探る
社内での解決策を探ることも重要です。もしかしたら、現在の部署や業務内容に不満があるだけで、別の部署や業務であれば、あなたの希望が叶う可能性があるかもしれません。
- 社内公募制度の確認: 大企業や一部の中小企業では、社内公募制度を設けている場合があります。希望する部署や職種があるか確認し、応募を検討してみましょう。
- 人事部や上司への相談: 人事部に直接相談したり、信頼できる上司に悩みを打ち明けたりするのも一つの手です。ただし、この方法は慎重に行う必要があります。退職の意思があるかのように捉えられないよう、「今の業務で〇〇な点に課題を感じており、今後は〇〇のような分野で貢献したいと考えております」といった、前向きな姿勢で相談することが大切です。
社内での解決策を模索することは、あなたが会社に対して建設的な姿勢を持っていることを示すことにもなり、結果的に円満退社に繋がりやすくなることもあります。
退職を穏便に進めるための3つのポイント
ここからは、「いざ辞める」と決めたときに、余計なトラブルを起こさずに穏便に退職するためのポイントを3つお伝えします。
会社や上司の悪口を言わないこと
1つ目は、「会社や上司の悪口を言わないこと」です。
退職前に、不満をまき散らすように周囲に会社の愚痴を言ってしまう人がたまにいます。
ですが、そうした行動は周囲の信頼を失う原因になります。
今の会社の同僚や人事担当者が、今後あなたの転職先で取引先になる可能性もありますし、1年後に「やっぱり戻りたい」と思う日が来るかもしれません。
そうした未来の可能性を考えると、不満を言いふらすのは控えるべきです。
感謝の気持ちをしっかり伝えること
2つ目は、「感謝の気持ちをしっかり伝えること」です。
理由は1つ目と同様、人間関係はどこでまたつながるか分からないからです。
なるべく良好な関係を保つことを意識して行動しましょう。
退職手続きは丁寧かつ迅速に進めること
そして3つ目は、「退職手続きは丁寧かつ迅速に進めること」です。
意外と知られていませんが、退職後もしばらくは会社の経理や総務の方があなたのために細かな手続きをしてくれています。
ごく稀にですが、会社側の手続きミスで、あなたの今後の仕事に支障が出るケースもあります。
特に税金関係は、転職前後の連絡が不十分だと後々大きな問題になることもあるので、注意が必要です。
会社側に適切に対応してもらうためにも、自分自身が丁寧に退職手続きを進めるようにしましょう。
まとめ：感情に流されず、キャリアを見据えて行動を
「会社を辞めたい」と思ったとしても、一時の感情で決断するのではなく、今後のキャリアにきちんとつながるように考えて行動することが大切です。
もし、自分の感情が整理できなかったり、「退職したい」「転職したい」という気持ちがうまく言葉にできないという方がいれば、ぜひチェックの就職相談をご活用ください。
あなたの状況を客観的に整理しながら、一緒にこれからの道を考えていきましょう。
